ボイス 受講生の声
VOICE vol.69
渡辺 実花 Mika Watanabe 2010年中村教室入学 / ゼミナール初級コース在籍

---先生からやり直しって言われたプリント、進んでますか?

 

・・・うまくいかないんですよ。なんか紗がかかったみたいに。自分でも分かってるんですけど、焼き直してもスカッといかないんです。秒数も間違えてたり、プリントの調子がよく分からなかったり。お休みするってこういうことなんだなって思いました。

 

---あ、そうですね。渡辺さんはこの春から半年ぶりに、教室に復帰したんですよね。

 

そうなんですよ。続けるつもりだったんですけど、家庭の事情とか財政難とか(笑)。でもお休みしている間もいちおうカメラはいつも持ち歩いて撮影して、近所の暗室を借りてプリントしてたりしてたんですけど、ひとりでやっていたら分からなくなっちゃって。でも同期の人たちが飲みついでに見てくれたり、見せてもらったり。そうやってたまに教室に通ってるみんなの作品を見ると、いいなぁ~って思ってました。

 

---仲良いんですね~。

 

ベタベタじゃなくて、わりとドライなんですけどね(笑)。みんなで撮影行ったりしたいねって言ってます。それとやっぱり最初のクラスで一緒になった同期がすごく良くって・・・。良くってっていうのは「時間がなくて作品ができなかった」とかいう人がいなくて、みんな頑張り屋さんで上手で、がんばらなきゃなって思える人たちばかりで。

 

---やっぱりその距離感は大人だからですよね(笑)。心地いい距離っていうか。・・・そう言われてみれば渡辺さんの同期って真面目な方が多いですよね。

 

そうなんですよ。だからよけいに続けたいなって思ってました。

 

---写真自体はずっと前からやってたんでしたっけ?

 

普通には撮ってましたけど、どちらかと言うと仕事で商品を撮らなくちゃならなかったんで・・・。

 

---そういえば、どんなお仕事をされてるんですか?

 

造花業、ですね。造花を使ってアレンジメントを作ったりするんです。

 

---造花業?!それはめずらしい・・・!

 

そうですね、同じような仕事の人にはなかなかめぐり合わないです。提案書や企画書を出す時に写真をつけなくちゃならないんですね。最初はフィルムで撮って街に写真屋さんにプリントしてもらってたんですけど、やっぱり色が思ったように出なくて・・・。そう思ってるときに知り合いのカメラマンが「デジタルカメラで撮れば」って。写真だけで最初の段階は決まっちゃうので、嘘はいけないけどなるべくかわいい状態でお嫁に出してあげたいみたいな(笑)。それができるようになって、すごくラクになったんですよね。そんなことを日常的にやってました。

 

---じゃあ趣味っていうよりは、仕事で、ですね。

 

はい。でもそのうちカメラ持ってるしもったいないからと思って、ちょっとずつ,旅行の時とか撮ったりするようになったんです。そうなると写真つながりの友達ができたりして。でもそういう人たちって機材のこととかいろんなことに詳しくて、私には何の話をしているのか全然分からなかった(笑)。これはもう少しちゃんと勉強したほうがいいかな、と。

 

---(笑)。詳しい人はものすごいですもんね~。ところでですね、その、造花業ですけど、海外出張ってあるんですか?

 

材料の仕入れをしなきゃいけないので香港に行ったりとか、勉強しにヨーロッパへ行ったりとか・・・。

 

---それで?外国人のお友達が多いんですか?不思議だったんですけど・・・。

 

あ~。最初、その出張って大名行列のようにみんなでぞろぞろと行っていたんです。みんな英語も広東語もほとんどの人ができないのに・・・。それで、「私が英語を勉強したら、こんなにたくさんの人数で行かなくて済むし、経費も削減できるんじゃないか?」って思ったんですね。もの作り同士の会話だと、外国語が話せなくてもわりと意思疎通ができちゃったりするんですけど、仕事となると書類が必要になるし、やっぱり英語ぐらいはできた方がいいなと。それで自腹で英語を習いに(笑)。

 

---自腹~?!エライ!!でも経費で落としてほしかったですね・・・(笑)。

 

やっぱり、親子の会社だとなかなか難しくて(笑)。だからまぁいいやと。でもあんまりできるようにならなくて・・・。

 

---そっかぁお父様の会社ですもんね・・・。でも今はペラペラなんじゃないですか?あんなに外国人のお友達がいるわけだし・・・。

 

いや~・・・怪しいですよ、みんな日本語上手だし。チャーリーみたいに(笑)。

 

---ははは(笑)。チャーリーさん日本語ペラペラですもんね。(チャーリーさんは基礎コース在籍)。でもまぁ英語が話せたからといって外国人のお友達ができるわけでもないですよね?

 

あぁそれは、写真の仲間で。サークルというか「じゃあ、みんなで集まって撮りに行きましょう」みたいな集まりで、そこが多国籍軍なんですよ。まぁ撮ったり撮らなかったりで、仲良しサークルみたいなものなんですけどね。もともと「○○が来るから、みんなでもてなしましょう」と、国籍関係なく日本に来た人をもてなしたり、一緒に出かけたりという趣旨で作ったみたいなんです。それでだんだん写真仲間が増えていったんですね。今も月1回ぐらい飲みに行ったりしてますよ。

 

---なるほど。それで、なんですね。なぞが解けた(笑)。

 

あ、でもそれだけじゃなくて・・・。私旅行が好きで、ひとりで海外旅行に行ったりするんですけど、旅先で出会ったり・・・。あとは妹が国際結婚していて、義弟がアメリカ人なんです。母も英語があまりしゃべれないのに外国へ行っちゃったりとか、道に迷ってる人がいたりしたら家に連れてきちゃったり(笑)。そうやって家族が人種とか年齢とか気にしなかったし、昔からいろんな人が来てご飯を食べていたりする環境だったので、そういった違いに構えるとかあまりないんですよね。

 

---お母さんステキ(笑)。

 

江戸っ子だからだと思います(笑)。でもそういう外国人の友達も教室にきて勉強すればいいのになって思います。言葉は大変かもしれないけど、やっぱり人の作品を見るのはとても大切だなって思うんです。それだけですごく勉強になる。それに暗室に入っていろんな人と話をするのも刺激になるし・・・。

 

---本当に見るって大事ですよね。ひとりでやっていると、自分の小さい世界がもっと小さくなっていくというか・・・。

 

ぽつーん、って感じ(笑)。だからやっぱり同じ目的をもった仲間と一緒に勉強していけるっていい。それに中村教室にいる人たちって「スカッ」としてる人が多いですよね。ベタベタしてなくて。年齢を重ねていくと、友達が減ることはあっても増える機会ってなかなかないので、こういうところに来てお互いに意見を交換し合いながら一緒に進めるって楽しいなと。

 

---そういうのがあるから続けられるっていうのはありますよね。

 

そうですね。あと・・・やっぱり、私、中村先生のファンなので(笑)。

 

---えっ?!そうなんですか(笑)。

 

チャキチャキ、ズバズバといろいろ言ってくれるところが私には(笑)。浮世絵の国芳が好きなんですけど、たぶん先生は同じ系統かなって思うんですよね。

 

---国芳?

 

歌川国芳っていうんです。やっぱり弟子がいっぱいいるんですけど、みんな師匠が好きで集まってきちゃうんで有名だったんですよ。中村教室もずっと続けたり、一度やめても戻ってくるのは先生が好きだからなんだろうなって。

 

---あ~そういうのはあるかもしれませんね。合う合わないもあるだろうし・・・。先生のあの豪快な?人柄を楽しめる人が残っていくというか(笑)。

 

先生を楽しむ教室・・・?(笑)。

 

---というか、そうじゃないと「ただダメって言われた~」って落ち込んで終わっちゃうと思うんですよね(笑)。それをおもしろい、楽しいとみんなが思うから、糧になり伸びていくんだと思うし。

 

あ~、そういえばクラスメイトに「どんだけMなの?」って言われた(笑)。でも先生、優しいですよ・・・!

 

---わはは(笑)。

 

---ハハハ(笑)。でもきっと長く在籍してる人ってみんなそうだよね(笑)(by小宮山先生)

 

---うんうん。でもそう昔に比べたら中村先生、優しくなったんじゃないかなぁ~と思います。ネコが似合いそうだもの。

 

ネコ・・・(笑)。そこもね、国芳と一緒なんです(笑)。今年没後150周年で、今いろんなところで展覧会があったりしてちょっとブームなんですよ。国芳ってすごい「べらんめい」で、バンバン弟子をとっちゃう。女なんか・・・っていう時代に、女性でも分け隔てなく弟子にとってたんです。それに刺青・・・というか彫り物が今みたいな形にしたのも国芳なんですよ。それまで筋彫りって言って絵だけで彫っていたところに、藍とか赤とかを入れて武者絵っていうんですけど、すごく迫力のある今の形にしたのは彼からなんですよ。

 

---そうなんだ!全然知らなかった・・・。

 

そうなんですよ、すごい人なんです。もちろん実際に会ったことがあるわけじゃないんですけど、すごく中村先生と重なるんですよ(笑)。だから、先生は「現代版・国芳」なんです。

 

---おぉ~!なんだかすごい気がする・・・!渡辺さんってどういう人なのかな~って思ってたんですよ。こんなにお話してくれるとは思わなかったなぁ。

 

心臓に毛が生えてるって言われます(笑)。仲良くなると「もうやめろ~」って言われるぐらいしゃべります。だけど人物が撮れなくて・・・。たくさん撮れって言われて、挑戦はしてるんですけど全然撮れなくて。先生が「人と向き合え」って言いますよね?もしかしてこれだけ撮れないって、私人と向き合いたくないのかも・・・とか思っちゃったりして・・・。

 

---うーん・・・もともと人と仲良くなるのに、ある程度時間がかかるというか、そういうタイプなのでは?

 

そうですね・・・初対面の人と話すのは大丈夫なんですけど、それ以上に近づくとなると勇気がいりますね。だからこれからの授業でスナップとかもあるし、どうしよう・・・って少し怯えてます。

 

---良く撮ろうとしすぎなんじゃないかな?それに興味のある人、ちゃんと撮りたい人を撮るっていうのが大事だと思うよ。中村先生が「被写体の選択から個人の表現が始まる」って言うでしょ。(by小宮山先生)

 

---そうですよね。友達でも撮りたいって思う人と、そう思わない人はいるはずで。わたしなんかは友達すら撮りませんよ。自分の生活に密接に関わる人以外はあまり撮りたいと思わないんですよね・・・。

 

そうか・・・じゃあまずは「撮りたい」と思う人にお願いして撮ってみる、ですね。

 

---そうですね、興味を持たないと結局撮れないと思いますよ。撮っていても楽しくないと思うし。

 

楽しんで、撮るか・・・。どうしよう、どうしようって思ってたので、今日は良かったです。ありがとうございました。

 

---あ、何気なく問題解決しちゃったみたい・・・?(笑)

 

はい。まずはやってみます!

 

聞き手:木下マリ子

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