ボイス 受講生の声
VOICE vol.68
木内 瑠海子 Rumiko Kiuchi 2007年中村教室入学 / デジタルプリントコース在籍

---それでは、早速作品を・・・。

 

持ってきたんですけど、結構どこに行ったかわからなくなっちゃってて・・・。

 

---どこで撮影したか?ってことですか?べつに良いですよ。・・・もしかして、作品自体が行方不明って意味?

 

あ、そうそう、作品自体が(笑)。ちゃんとしまってはいるんですけど、今回はここ、次はあっち・・・とかやってるうちに、おうちの中で行方不明に・・・。インタビュー受ける前にVOICE読んでみたんですけど、みんな丁寧にファイルしたりしてて、すごいなぁと。本当に大雑把なので・・・(笑)。だから写真はないし、話も薄いしどうしたらいいの?!と。

 

---(笑)。確かに歴代VOICEの方たちは整理整頓が上手で、わたしもビックリ。でも大丈夫ですよ。先生が木内さんに、って言ったんだし。

 

たぶんそれ、在籍が長いからだと思う(笑)。

 

---えぇっと、そうですね。木内さんもう結構長いこと・・・ゼミ初級も5回ぐらい受講してるのかな。

 

そうなんですよ。長いんですけどね~・・・作品の数はみんなの1年分ぐらいだと・・・(笑)。

 

---あ、そういえば「木内さんいいんだけど、写真少ないんだよなぁ」って中村先生が言ってた(笑)。

 

ははは(笑)。毎回3,4点しか出せなくて「もっと出しなよ」って先生に言われてます。「いや、ちょっと、暗室に来るのが・・・」って。

 

---そっか、自宅が遠いですもんね。来るだけで大変だ。

 

だからデジタルも考えた方がいいのかなぁって思って、この春からデジタルコースに。まぁでも作品が少ないのはそれだけが理由じゃないんですけどね・・・。

 

---どうして少ないの?

 

うーん・・・写真を選べないし、撮る本数も少ないんでしょうね(笑)。でもマイペースでやろうとすると、そのぐらいになっちゃうんですよ。昔は気張って撮ってたんですけどね。あ、でも今でも旅行いけばもっとたくさん撮れるかな。そうそう旅行は写真を始めてから10倍ぐらい楽しくなりましたよ。ただひとりじゃないと撮れないから、みんなと一緒に歩けなくなっちゃったけど。

 

---写真は人がいると撮れないですよね、ひとりじゃないと。

 

そうそう、友達5人で旅行した時にすごく楽しかったんだけど、どうしても撮りたいものがあって「おなか痛いから、みんな行ってきていいよ。わたしはここにいるから。病院も近くにあると思うし。」って、おなかの痛いフリをして・・・いやホントにちょっと痛かったんですよ(笑)。で、ひとりでぷらぷら散歩して撮りました。旅行で撮るみたいに撮らなきゃなぁとは思うんですけどね・・・。

 

---でも今のペースが木内さんに合ってるんじゃないのかな。それ以上やると疲れちゃうとか・・・。

 

・・・たぶん気分の問題なんだと思うんですよね。一応撮りに行ってみるんですけど、気分の乗らない時は撮れなかったり、シャッターを切っても内容がおもしろくなかったりするとすぐ帰ってきちゃう(笑)。暗室もそんな感じ(笑)。無理矢理やっていると苦しくなって写真をやめちゃうかもって思うんです。写真をやめてしまうのはイヤだなって。気まぐれなり(笑)だけど、いいお付き合いをしたいのに・・・って思うんですよ。

 

---なるほど・・・木内さんにとって写真はどういう位置付けなんでしょう?距離感というか。

 

始めはおじいちゃんが倒れちゃったのがきっかけだったんですよ。おじいちゃんがカメラが大好きな人で。ただカメラが好きなんだけど、ちゃんと撮れてないんですよ、フィルムが巻き上げてなかったり、ピントが全然合ってなかったり(笑)。かわいいんですけどね(笑)。そのおじいちゃんがある朝「起きられない!助けてくれ!」って叫んで、脳の病気で倒れちゃったんです。私その時に、写真やっておけばよかった!と。なんか「おじいちゃん!カメラ!写真!」って頭に浮かんで・・・。

 

---そうだったんですか・・・。

 

だから「写真やらなきゃ!写真がんばんなきゃ!」って思い込んで、おじいちゃんが倒れて半年ぐらいに入学したんですよ。その時もインターネットで検索したら一番最初に中村教室が出てきて「社会人のための」って書いてあったから、「あ、私社会人!行ける行ける!」でポチッと資料請求して、入学(笑)。ホントにそれだなんですよ(笑)。

 

---(笑)。

 

だからね、ポカーンなんです。「すんなり入っていけた」って言ってる方がいると「ホント?!」って思いました。だって「表現?!」って、ポカーン。今でもポカーン(笑)。

 

---わはは(笑)。

 

そんなだから、同期のみんなが教室をやめていっちゃった時もポカーンだったんですよ。なんで?なんで??って。

 

---というのは?

 

私の同期ってもうひとりもいないんですね。それぞれやめる事情はあると思うんだけど、みんなどこかで「もういいや」と納得してやめていくと思うんですね。でも「もういいや」って、何かを掴んだの?何か分かったの?何かひらめいたの?ってビックリするんです。私は何もひらめかないけど、と(笑)。

 

---それで今も在籍してると(笑)。

 

そうです、そうです。でももし何か見えるのであれば、ぜひそれを見てみたいと思って。今はちょっとずつ、数ミリずつだけど、先生の言っていることが「こうなんだ」と、光みたいなものが、見えるような。光があるぞってことは分かっているから、そこまでたどり着ければなと。

 

---なるほど!それを見たいから続けられるんだ。ただポカーンだけだと続かないですもんね(笑)。

 

でもね、本当にみんなすごいなって思うんですよ。先生がいつも「写真には自分自身がが写りこむ」みたいなこと言うじゃないですか。授業の時にいろんな意見をちゃんと言っているのを見ていて、どうしてそんなにクリアなんだ?どうしてそんなに分かるんだろう?って。。私は自分のことわからないし・・・。だから授業で先生が言った言葉もあえてメモしないようにしてるんですよ。染み込むまで言ってもらおうと。「憶える」んじゃなくて「染み込め~」って(笑)。だからやめていった同期ももう一度復活して染み込ませたらどうかなぁって誘ってみようかな~って(笑)。だってね、やめたけど、わたしの写真見てみんなで批評始めるんですよ。「これのどこがよかったの?」とか言って(笑)。

 

---その癖は抜けないんだ~。

 

抜けない、抜けない。やめていった人たちとも今も本当に仲が良くて、連絡もちょこちょこ撮るし、飲み会もよくやるし。気持ちのいい人ばっかりですよね、中村教室って。ヘンな人はいるけど、イヤな人はいないです。教室に来たくなくなっちゃうような人がいないっていうのがいい。だから友達に会えてよかったなって。ただ写真やろうよって思うけど(笑)。ま、単純に戻ってきてくれたら、さらに楽しいからなんですけどね。

 

---ヘン・・・そ、そうね(笑)。そういえば、この春から受講しているデジタルコースはどうですか?

 

今は技術的なところでポカーンとしてます(笑)。一から出直しって感じで。でも新しいことをやるのはおもしろいですね。デジタルは撮ってWEBにアップしてすぐに反応が返ってきたり、いろんなところと繋がっている感覚が画期的。これなら大雑把なわたしもできそうだし、フットワークの軽さがいいですね。でも授業の初日にフィルム一眼レフ持って行っちゃったけど(笑)。

 

---なんで?(笑)。

 

ほら、なんかとりあえず「カメラ」って(笑)。大雑把だから・・・。あ!そういえば宮城県の猫島、あの震災でも無事だったらしいですよ!

 

---ホントに?!よかった~・・・。

 

餌がちょっと心配ですけどね・・・。・・・私、島が好きなんですよね。

 

---昔から?島旅行に行くの?

 

そうなんですよ。宮城の猫島、田代島もそうだし、沖縄の離島とか、八丈島とか・・・。ご飯がおいしいし、人がやっぱりいいですよね。近所のおばちゃんみたいに話しかけてくれたりして。壁がないっていうか・・・。ひとりで沖縄旅行した時なんですけど、本当は水着だけで泳いじゃいけないのに、開放的な気分になって泳いじゃって案の定背中を火傷しちゃったんですよ。そうしたら見知らぬおばちゃんが「ちょっと、これ塗っときな」ってアロエを新聞に包んでくれたんです。まぁひとりだから塗るの大変で・・・叩きつけましたけどね、ヨイショ~って(笑)。日焼け止めとかひとりで塗れる道具売ってないですかね?

 

---孫の手みたいな?いや・・・コロコロみたいのがいいか(笑)。

 

そうそう(笑)。でもないから海水浴はひとりで行っちゃダメです(笑)。でもやっぱり島はおもしろいですね。写真やってる今行ったらもっとおもしろいんだと思うな。ただ他の人と違うところでテンションが上がってるから、おもしろさは周りの人に伝わらないですけどね。でも私としてはテンション、マックスなんですよね。・・・私、島に行けばいいのかな?

 

---うん、「楽しい」って思えるところに行けば、テンション上がってノリノリで撮れると思うなぁ。

 

そうだよね、そうだよね・・・!でも島に行くのってちょっと面倒なんだよな~・・・。

 

---電車一本じゃいけないですからね~・・・(笑)。

 

そう、大雑把で面倒くさがりだから(笑)。でも行こうかな~・・・やっぱり旅は楽しいし。

 

---教室も旅好きの人多いですよ。お出かけが好きだけど、やりたいことはインドアっていう。・・・伝わる?

 

うん。分かる気がする。(---by小宮山先生)

 

ああ、そうかも。旅好きだけどインドアな写真の作業、暗室とか全然苦じゃないもん。

 

---たぶんそういう人が多いと思う。

 

でも、マラソンとかもやったりするんですよね~。

 

---あ、そういえば言ってたよね。すごいなぁ。わたしなんて1キロも走れない・・・。大雑把って言う割にはいろいろやってますよね。

 

大雑把なりにですけど(笑)。気になっておもしろそうだったりすると、とりあえずやってみてますね。

 

---うん、でも楽しそう。苦しそうじゃないし、かといってヘンにテンションあがっているわけでもなさそうだし。自分なりに楽しみながらいいペースでやってるのかなって感じがする。写真を勉強するってことだけに関して言えば、作品の数が少ないって言われるのはしょうがないと思うけど・・・(笑)。

 

うん、しょうがない(笑)。ただ小さいけど、火種は燃えてるんですよ(笑)。結構しぶといからわりとひとつのことが長いんですよ。辞めるのは簡単だけど、続けていれば何かがあるかなって。それにやめてしまったらそこでまた悶々とすると思うんですよね。

 

---それってすごいことだと思う。「続けること」が一番難しいと思うんですよ。

 

だから数は少ないけど必ずちゃんと作品を授業に持って行こうと思ってます。「出さなくてもいい」じゃなくて。やっぱり何かを言われること、ダメと言われることもうれしいっていうか。でも最初の頃は一喜一憂しすぎて、きつかったけど。ってキツイっていうのは自分に期待しすぎてたんですよね。自分は撮れるんじゃないか?とか。でも「いやいや、ポカーンなんだからムリだって!」とか思ってから、ラクになりましたけど(笑)。

 

---何も言われないのが一番、辛いですもんね。

 

そうなんですよ。あと、旅の話に戻りますけど、前よりも楽しくなったのはいろんなことに興味を示すようになったからというか。今まで目に付かなかったものに目が行くようになって・・・たぶん広がったんでしょうね、視る目が。

 

---それはたぶん今まで一般的な感覚で「きれいだな」って思ってたことプラス、独自の目で見ているものが加わったから、前よりもっと楽しくなったんじゃないかな?

 

うーん・・・写真表現、お得。

 

---お得?(笑)

 

お得です(笑)。

 

聞き手:木下マリ子

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