ボイス 受講生の声
VOICE vol.64
松本 隆盛 Takamori Matsumoto 2007年中村教室入学 / ゼミナール在籍

---早速なんですが、作品を見せていただいてもいいですか?

 

20~30点って言われたけど、まとめて持ってきましたよ。

 

---このファイル全部そうですか?!スゴイ!マメ!!

 

そんなことないんだよ(笑)。本当は整理が下手なんだけど、整理しておかないと分からなくなっちゃうかなと思って。

 

---いやいや、これでマメじゃないと言われたら、わたしなんかどうなっちゃうんでしょうか(笑)。ファイルすら持ってません・・・。

 

(笑)。ほら、こういうのも・・・。

 

---おお!日付と撮影場所がリストになってる!・・・かなりあちこち行かれてるんですね。

 

そうだね、最近は週末の休みで、行ける限り撮影に行ってるから。

 

---本当だ・・!ちゃんと毎週行ってる・・・すごいなぁ。これ、なかなかできないですよ。撮影場所はどうやって決めてるんですか?

 

関東地図を見て100km前後以内で、少ない知識の中からおもしろそうなところを探すんですよ。あとは行く日の天気とか、先週は山へ行ったから今週は海へ行こうかなとか。

 

---なるほど・・・どこかへ行って撮る、スタイルなんですね。

 

そうですね。日常生活の中で撮れるようになれればいいんですけど(笑)。知らない土地へ行って、新しい発見や出会いがあるとどんどん撮れる。昨年スペインにも行ったけど、撮れるね~。でも授業には持ってこれない写真ばかりだけど(笑)。・・・あ、でも近所のカフェにその写真飾ってあるんですよ。

 

---カフェに?

 

そう。あのね、授業が終わった後に必ず寄るカフェがあって。お昼はカフェで夜はお酒を出すところなんだけどね。入門の頃から通ってマスターには話をしてるから、どういう授業を受けてどんな写真を撮ってるかよく知ってるんですよ。そのマスターがランチにスペイン料理を始めたんですよね。それで「松本さん、スペイン行ってたよね?」って話になって、店内に飾られることになったんです。

 

---そうなんですね~。なかなか写真をやっている人以外に作品を観てもらう機会って個展なんかをしない限りないから、それってすごくいいことじゃないですか。刺激になると思うし。

 

そうそう。実はそれだけじゃなくて、年に3回ぐらい作品を入れ替えて、いつも自分の作品が飾ってあるんですよ。マスターが写真を選んで。中には写真を観にお酒を飲みにくるって人もいてくれるらしくて・・・うれしいよね。「写真家ですか?」って聞かれたり(笑)、写真のことを教えてと言われたり。反応がすごくおもしろい。

 

---自分の作品を観に来てくれる人がいるって、うれしいですよね。そういう場所があるのもうらやましい・・・。わたし昔松本さんのお住まいの近くに住んでたんですよ。そのカフェってどこにあるんですか?

 

こっちから行くと、大学を過ぎて、あの交差点の近くだよ。

 

---あぁ!車で抜けるところだ。今度行ってみよ~!

 

カフェって言ってるけど喫茶店みたいなお店だけどね。

 

---わたしはカフェより喫茶店って感じのほうが好きなので、より良いです(笑)。それにしても・・・ファイルのマメさもすごいですが、授業もすごくきちんと出席されてるそうですね。お忙しそうなのに・・・お仕事は?

 

ファミレスのD社なんです。今の会社に入って35年を過ぎましたが、これでも一応一級建築士なんですよ。ずっと店舗を作り続けてきました。

 

---え?!そうだったんですか!D社といえばハンバーグですよね!ハンバーグおいしい!

 

そう、ハンバーグにこだわってるからね(笑)。和風ハンバーグがおいしいよ。

 

---やっぱり!それにしても一級建築士でお店を作ってるなんて・・・すごいです。

 

入社した頃は10店舗しかなかったんですよ。それから800店舗作ったの。もちろんスタッフと一緒に。閉店した店舗も多いけど、逗子店は有名だったんですよ。ロケーションが良くてね。今までのファミレスと違うタイプの店舗を作ったのね。閉店の時にはファンが押しかけて大変だったんですよ。私も大好きな店でした。

 

---そんなに?!あ~ハンバーグ食べたくなってきた~。

 

(笑)。そうやって一時期は週に1店舗のペースで作っていてそれはもう激務だったんだけど、今は落ち着いてだいぶ時間もとれるようになってきたんですよ。

 

---先生が松本さんは毎回作品をたくさん持ってくるって言ってましたよ。それって時間ができたからといって、なかなかできることじゃないと思いますよ。

 

そのへんはけっこう真面目ですね(笑)。授業も日程間違えた時以外は全部出席してると思います。教室には「勉強の仕方」を学びに来てると思ってるんですよ。だから素直に言われたことを聞いてこなす。授業に出席することに意味を持たせないと、出なくなるんですよ。出ないほうがラクだから。でも出席するだけじゃ意味がない。自分に20枚以上作品を出す、と課してるんです。それで迷ってダメかなと思った作品でも出してしまう時もあって、それは反省しています。

 

---エライなぁ・・・!そういう目標を持つことはできても、実行できる人はそういないですよ。

 

そうかもしれないけど、どうせ目指すなら高い山を目指すほうがいいじゃない。チョモランマに登るのに散歩気分では登れないでしょう。ちゃんとした知識と技術、装備、それと登ろうという強い気持ちがないと。それと同じです。ただ頂上が見えないと途方にくれるから、頂上の見える山を目指してますけどね。

 

---その頂上は・・・。

 

個展。自分でお金出してでもやりたいなぁと思う。年とっちゃうから早い時点でやりたいなと(笑)。

 

---まだまだお若いじゃないですか(笑)。

 

いやいや。1年間で他の人の3年分やらなきゃダメだって思ってるんですよ。できていませんが。最初に教室に入学する時もかなり悩んだし・・・。何度か電話したんだけど、憶えてないかな?

 

---ん~・・・あ!お住まいが近いですね、なんて話したような・・・。

 

そうそう。写真表現って実際どんな授業するのかって分かりにくい分野でしょ。それに年齢的にもついていけるかなとか、若い人が多いと考え方が違ったりするのかなとか・・・。それで何度か電話したんですよ。でも70代の方もいるって聞いて、思い切って入学しちゃったんですよね(笑)。

 

---その方はもう80歳になられましたよ(笑)。

 

すごいですよね。でも入学したのはいいものの、ちゃんと通えるか心配だったし、写真表現の授業が本当にどんなものかよくわからなくて不安でしたね。でも授業を受けていくうちにモノクロっていいな、表現ってこうなのかとだんだん分かってきました。入学する前は「きれいな写真が撮れるようになれば」というぐらいの気持ちだったんだけどね(笑)。

 

---最初はみんなそうですよ(笑)。授業を受けていくうちに、写真表現ってこういうものなんだとか、本当にキレイなプリントってどういうものなのかとか知っていって、たぶんただ「キレイ」なだけの写真じゃない奥の深さを知っていくんだと思います。そうなると今まで思っていた写真とは違う写真の本当のおもしろさを実感するんだと思うんです。・・・そういえば、デジタルにしたのはいつごろなんですか?

 

ゼミ初級になってからすぐですね。暗室でプリントするのはおもしろいんだけど、仕事との関係上時間的に厳しいんです。というのはさっきお話したように、コンスタントにある一定の枚数を授業に提出するとなると、なんです。銀塩だと教室に通う時間も必要だから、ペースを保とうとするとムリなんですよね。

 

---確かにそうですよね。デジタルなら自宅でできるし、何よりちょっとあいた時間にできますもんね。かなりの時間短縮になりますよね。

 

そう。でもプリントがなかなか上手くいかなくて・・・。この前の合評会でも先生にプリントがダメだって言われちゃって。

 

---プリントの上達は時間がかかりますよ。デジタルプリントはゼミ初級から始めたんですから、まだまだこれからですよ!まだ3年じゃないですか~・・・あれ、なんかもっと前から在籍してたような気がする(笑)。

 

この春で3年ですよ(笑)。・・・でも写真っておもしろいですね。改めて見るとあの時こうだったなぁとか、撮影に行ったころのことを思い出しますよね。

 

---そうですね。松本さんはあちこち行ってるから、特にいろんな思い出があるんじゃないですか?

 

埼玉はだいたい制覇して、千葉ももう少しなんだけど。つい先日久留里っていうところに行ってきましたけど、知ってます?非電化で単線で鉄道写真をやっている人に人気の久留里線っていうのがあるんだけどね。かわいい電車でね。そこは上総掘りっていう井戸掘りの技術が有名で、街道のあちこちに井戸があるの。

 

---え、それ普通に飲める井戸なんですか?

 

もちろん。ペットボトルとか持って水汲みに来てる人もたくさんいたよ。あんなにたくさん井戸のある風景って珍しいから、すごいおもしろかったなぁ。

 

---いいなぁ~!

 

あの街はこんなところで、ここがいいよって話を聞いていても、ぼんやりとしか想像できないけど、実際に行ってみるとその街のことがよくわかるよね。

 

---本当におでかけが好きなんですね!

 

そうそう、これは「大人の社会見学」だよ(笑)。

 

聞き手:木下マリ子

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