ボイス 受講生の声
VOICE vol.58
大石 三四子 Miyoko Ooishi 2000年中村教室入学 / ゼミナール在籍

---大石さん、久しぶりですね~。

 

久しぶりだっけ?・・・この前会ったじゃない。

 

---いやいや、VOICEがですよ~。今回で2回目じゃないですか。

 

ああ、そうよね。あれは何年前だっけ?もうだいぶ前だったような・・・。

 

---前回は水中写真を撮ってる時でしたよ。(VOICE22)今回は人物写真を持ってきていただいたけど、今も水中写真は撮ってます?

 

最近は減ったわね~ダイビングに行く回数が減った。海で写真を撮るよりも、人を撮る方が楽しくなってきたから。それにダイビングは始めてもう10年。私は10年で1クールだと思ってるのね。だからそろそろいいかなって。

 

---写真は・・・。

 

・・・10年、だね。そろそろ危ない時期かな(笑)。

 

---あぶなーい!・・・やめないでくださいね(笑)。

 

大丈夫、大丈夫(笑)。やっぱり写真が一番楽しいから。

 

---ふぅ・・・よかった。・・・この写真、全部海外ですよね。しかも全部人を撮ってますね。

 

人がね、やっぱり一番おもしろいって思ったのよね。中村教室に入って写真を勉強してから本当にたくさんの対象を撮ってきたけど、人物だけは撮ってなかったことに「そういえば」って気がついて。人ってどこにでもいるしなぁ・・・と思って撮り始めたのね。そうしたらだんだんおもしろくなってきて。建物とかを撮っている時も楽しいんだけど楽しいのは「撮っている時」、人を撮っているときはコンタクトプリントを見ている時も面白いと思ったの。表情とかじゃなくて、人の動きがね。

 

---なるほど。

 

だから外国へ行っても自然に人に目が行くようになったの。

 

---それで、人物写真ばかりなんですね。

 

うん。海外でも日本にいる時と同じ感覚で撮影しようと思っているんだけど、どうしても外国っぽくなってしまう。本当は日本で撮れたらって思うんだけど、なかなか・・・。海外に行けば自分は外国人で旅行客っていう立場でそういう目でも見られるし、こっちも開放的な気分になるから撮りやすいのよね。でも日本ではそうはいかない。それでも最終的には日本で日本人を撮ってまとめられたらなって思う。やっぱり自分は日本人だから、日本人に向き合って撮るっていうのをしたいの。

 

---日本で撮るのは難しいですよね。言葉が通じて身近な分、トラブルもあったり。

 

そうなのよね~。だからこっちもしり込みしちゃうっていうか・・・踏み込んでいけない。

 

---それ、わかります~。そういえば、この写真って全部アジアですか?

 

そうね。インドとか中国とか・・・。

 

---アジアってやっぱり魅力的なんですか?アジアに行って撮る人って多いですよね。

 

う~ん・・・そうね。とりあえずヨーロッパに今はあまり興味ないかな。なんというかヨーロッパは建築物とか歴史もあって、とってもきれいなんだけどもう完成されちゃってるから面白味がないというか。きれい、すごいっていうのはあるんだけど。逆にこれから発展していくところっていうのは人との関わり方が違うのね。向こうもこちらに興味を持って接してくれる。友好的なのかな。そういう意味では撮りやすいし、勝手な思い込みかもしれないけど、アジアの人と接してるとなんとなく気持ちがわかってしまうような、そんな気がするの。

 

---やっぱり日本に近いからかな?似てるし・・・。

 

そうかもね~。ヨーロッパで人を撮るのって大変そうだと思わない?

 

---大都市になればなるほど、人間関係が希薄ですからね。日本もそうだけど。田舎に行くと知らない人が声かけてくれたり、なんとなくお店の人とおしゃべりしちゃったりとかあるじゃないですか。そういうのって東京じゃあんまりないですよね。たぶんヨーロッパも似てるんじゃないかなぁ。

 

でしょ~!それに骨格があんまり好みじゃないのよね(笑)。

 

---あらま(笑)。それ、大事かも(笑)。・・・そういえば、カラーやめたんですね。

 

え!私はずっとモノクロよ~。

 

---あれ?水中写真はカラーでしたよね。

 

あぁ、カラーは水中写真だけ。それ以外は最初からずっとモノクロよ。

 

---そうだったんですか~!そういえば水中写真以外って見たことなかったなぁ・・・。

 

私は「ものづくり」が大好きだから。元々中村教室に来たのも暗室に入って自分でプリントする作業に惹かれたからだし。

 

---フィルムありき、なんですね。デジタルは?

 

デジカメは持ってるけど、ネコ用と旅行用。海外で人の写真を撮っていると、たまに写真が欲しいっていう人がいるのね。モノクロでプリントして送ってあげてもいいんだけど、カラーの方が喜ばれるかなって思って。

 

---それはそうかも。

 

そういえば!!!私バングラデシュの新聞に載ったの(笑)。

 

---ええ?!何で??どうして???

 

バングラデシュのあるところへ行ったんだけど、そこに日本人が来るのが初めてだったらしくて。他にも中国で「少数民族を見に来た日本人」で、テレビ局がついてきたり(笑)。

 

---すごい(笑)。でもそれだけあまり人の行かないところへ行ってるってことですよね。

 

ん~本当はもっと辺ぴなところに行きたいのよね。青空トイレ、お湯の出ないシャワー、停電ぐらいまではOKだから。

 

---青空・・・外ってことですよね?つまり、トイレがないと?

 

そうそう。そんなところばっかりよ。トイレがあっても外のがマシってとこもいっぱいだし(笑)。

 

---ひゃ~・・・わたしはダメかも(笑)。・・・ところでこの写真、そろそろまとめて発表の準備なんですよね。

 

うん。再プリントがたくさんあるけど(笑)。

 

---どうですか?いざ発表するという段階って。

 

そうね・・・自分の中では写真がまとまったところで満足してるんだけど。それは発表したいとかしたくないとかじゃなくて・・・。前は自分の存在や失ったものを残したい、表現したいって気持ちが強かったけど、最近は残す必要ないなって思ってきたのね。本当は残せたはずのものを失って、何ひとつ残せなくなって。失ったけど確かに存在したということを写真で表現して、形として残せないかなってずっと思ってたから発表もしたいと思ってた。でも今は自分がいたこと、いなかったこと・・・残さなくてもいい、消えていっていいって思うようになったのよね。

 

---それは・・・その心境の変化は?

 

やっぱり、ふっきれてきたってことなのかな。

 

---そっか~・・・よかった。ひとつ聞いていいですか?昔大石さんが言った言葉で忘れられない言葉があるんです。

 

え?何なに?何て言った?

 

---「幸せじゃない。いつ死んでもいい。」って。これを聞いてとっても悲しかったんです。大石さんって明るくて、ダイビングとかで海外もよく行ってアクティブで楽しそう、満喫してるんだなって勝手に思ってたんですね。ちょっとうらやましいぐらいに。でもその後に前回のVOICEのインタビューで過去のお話を聞いたら、その言葉がもっと悲しくなってしまって。忘れられないんです。

 

そんなこと言ってた?きっとその時はふっきれてなくて、本当にそういう気持ちだったんだと思う。でも今はそうは思ってないよ。ただ子供がいないからよく言う「孫が大きくなるまでは死ねない~!」とか目標はないけどね。あ、夫よりは先にとは思ってるけど(笑)。

 

---よかった!!!わたしも夫より先に・・・我が家はこれで揉めますけどね(笑)。わたしが先!俺が先!と・・・。残されるのはイヤ~。

 

イヤだよね~。やっぱり寂しがり屋なんだと思うわ。うちはね、夫がちゃんと見届けてくれるって言ってくれてるのよ~(笑)。

 

---いいなぁ!!わたしも寂しがり屋だから、残されてひとりになるのはイヤだなぁ。大石さんとわたしってちょっと似てるかも。暑さに弱いとか、微妙に病弱?とか。でもそういう人ってたぶん長生きするんですよね(笑)

 

そうなのよね(笑)。わたしも長生きな気がするわ~。ま、とりあえず今は暑いから秋から活動するぞ!(笑)

 

---涼しくなったらがんばるぞ!(笑)

 

涼しくなったら旅行いくぞ!(笑)

Copyright © NAKAMURA PHOTOGRAPHIC ACADEMY