ボイス 受講生の声
VOICE vol.50
坂本 しの Shino Sakamoto 2009年中村教室入学 / ゼミナール初級在籍

―――坂本さんとちゃんとお話するのって今回が初めてですよね。作品を見せてもらうのも。

 

そうですね。前に・・・一度池袋西武の食品売り場で・・・。

 

―――あ!あれはビックリしました!しょっちゅういるので、またお会いするかと(笑)

 

あの時はビックリしました・・・(笑)

 

―――そうそう、それで坂本さんに勝手なイメージを持ってたんですよ。でも作品を見るとなんか違う気がして、きっと持ってるイメージとのギャップがあるんじゃないかなって楽しみにしてたんですよ。

 

第一印象と違うって言われることが多い、かな。

 

―――やっぱり!おっとりしてるというか柔らかい雰囲気なんだけど、写真見ると違うなぁ~とか(笑)

 

・・・おっとりしてるってことはないと思います。たぶん、こういうふうにしている方がラクだから。まわりと上手くいくから、こういう感じでやっていこうみたいな(笑)

 

―――周りとスムーズにやっていくためってことですね。ってことは・・・けっこう頑固そうですね(笑)

 

あ~そうそう、言われます。親しい人からは「人の話を聞かない」とか(笑)

 

―――写真だと出ちゃうから怖いですね(笑)・・・写真は前からやってたんですか?

 

好きで撮ってたのは高校生ぐらいから。親戚のおじさんから一眼レフをもらって撮ってました。

 

―――え?!その頃から一眼レフ!

 

その前の段階があって、最初に写真を撮り始めたのは中学校2年生の頃かな。ホームステイ先にプレゼントする自己紹介アルバムを作らなくちゃならなくて、その時にコンパクトカメラを買ってもらって家族とか学校の様子とかを撮り始めたんですね。その後も引き続き撮ったりしているうちにピントがあってないとか気になり始めて・・・。

 

―――それで、一眼レフならいけるんじゃないか、と(笑)

 

そう、子供ながらに一眼レフっていうのがあるらしいってことに気づいて。そうしたら親戚のおじさんが使ってないのをあげるよって話になって・・・手に入ったんだけど、持て余しました。ちゃんと使えるようになったのは高校生になってからなんですよ。

 

―――じゃあ写真部?

 

いや、写真部はなかったんじゃないかな。美術部で絵を描いていて、写真は自分の趣味で。

 

―――わたしと一緒だ(笑)。じゃあ独学だったんですね。

 

まぁそうなんだけど、大学の時に一瞬サークル的なものに・・・。

 

―――写真サークル?

 

うん。あまり本気では参加しなかったんだけど、、暗室の基礎はそこで教わったんですよ。2年ぐらいしか所属してなくて、とりあえず暗室の作業教えてもらったからいいか~って。だから幽霊部員?みたいな(笑)

 

―――そっか~(笑)

 

暗室使いたい時とか一晩使っちゃったり。

 

―――そんなに使えるのいいですね。

 

校舎と別棟に部室があって、そこでみんな寝泊りしたり。もう、なんというか・・・無法地帯?みたいなところだったから。

 

―――大学ってどこかしらにそういう場所ありますよね(笑)。でも卒業してからは?

 

撮ってましたよ。景色とか人物とか・・・私、美大なんですけど元々人を描きたいと思って油絵科を専攻してたので・・・。やっぱポートレートを撮ってたかなぁ。

 

―――美大?油絵?!!いいなぁーー!!ちなみにどちらの大学ですか?

 

多摩美術大学なんですけど・・・。

 

―――多摩美?中村先生と一緒ですね!いいなぁ、わたしも美大行きたかったんですよ・・・。うらやましい!!

 

いや~でも、大学がすごい田舎にあって、周りに何にもなくて寂しくて。喫茶店も本屋さんもないし・・・私の中で大学時代というのは荒涼としたイメージで・・・。茨城出身なんですけど、東京の大学っていうと華やかなイメージで憧れて来たんですけどね~・・・。

 

―――帰りにお友達とあのお店寄って、あれして、これして・・・みたいな!

 

そうそれが、どこにも寄るところがなくて。アパートと学校の往復だけで(笑)。学校も何だか卒業しただけって感じで、今の仕事も全然関係ないし・・・。絵を描きたい気持ちもだいぶ薄れちゃったし・・・。

 

―――油絵科って・・・そうですよね。職業となると学校の先生とか・・・?でも写真と絵って近いようで、お互いに否定するところがあったりしますよね。それでもずっと両立してきたんですよね。

 

写真は趣味って感じだったから・・・。そんなに突き詰めて考えてたわけじゃないから。

 

―――それだけ長く写真をやっていると、もう満足しちゃってる人って多いと思うんですよ。なのに何で中村教室に来たのかな~って。

 

大学時代の友人で、まだ絵の世界にいる人たちもいるんですね。活動を続けてる人って、根っこになるような”場”を持ってるんですよね。そういう中でモチベーションを保ってるんだなって気づいて。だから自分も続けるにはひとりでやるんじゃなくて、活動する場を持ちたいなって考えるようになったんです。それには学校へ行くのが一番かなって。

 

―――確かに今授業でやってるようなペースを一人で保っていくって、本当に大変なことですよね。そうとう精神力ないと・・・。

 

うん、難しい。それに「どこに向かっていけばいいのか」ってこともわからない。

 

―――そうそう。例えばペースが落ちてしまっている時でも、仲間に合って「あ、ヤバイ!やらなきゃ!」とかそういうのも良い刺激ですよね。

 

そう、いい意味でのプレッシャーもね。あとは思いもかけない誘いとか。グループ展やらない?とか。きっと自分からはやるぞ!って動かないだろうことも、周りからの刺激でやってみようとか思えたりして、自分の期待していた方向に進んでます。ああ、これこれって感じで。

 

―――よかった!やっぱりひとりじゃキツイですよ・・・。

 

ね、何かしら決め事が合った方が、一生懸命できるというか。入り口を示してもらうとそこからスタートして次、また次へと展開していきやすい。選択していくための道を示してもらうというか。でも以前は教えてもらうことは強制されるようでイヤだなって思ってたんですよ。ここ10年ぐらいで教えてもらうことは押し付けではないんだと感じるようになって。

 

―――そうですね。何かしらの指示か最初にあると進みやすいですよね。それを積み重ねて、だんだんと自分で選択できるようになるというか。

 

自分でやってるといろんなことが自由に選択できるけど、なぜそれを選択したのか?っていう根拠があいまいなんですよね。だから今はちゃんとした理由をもって、選択ができる。それに今の年齢で学校に通うっていうのは、若い頃の学生時代とは違うし。いろんな人がいて楽しい。

 

―――普段仕事をしているだけどと、どうしても仕事と同じ分野の人としかあまり接する機会がないですよね。中村教室は本当に様々な人が多くておもしろですよね。

 

そう、全然分野が違うのに「写真」という共通のものがあるだけで、自然にコミュニケーションできるんですよね。。

 

―――あとは若い頃と違って、今教室に入学してくる人は写真が好きで、自分で働いて得た収入を使ってでも勉強したいって思って来から真剣さが違いますよね。大学なんかは「とりあえず」通ってる人のが多いし。

 

取り組む姿勢がまず違いますよね。でも真剣だからよりおもしろい。それにヘンに冷めたポーズをとる人もいないし。「かったるいし」みたいな(笑)

 

―――いない、いない(笑)。逆に「すごい~!」ってみんな素直に思ってると思う(笑)。わたしもだけど。

 

うん、うん(笑)。とことんしゃべれるし、こんなに真剣に話してバカにされちゃうかな?とかもないから、シンプルにストレートに取り組める。

 

―――そうそう。「あ~いいね~見せて~!」とか。良いところを吸収しようとしてますよね。変わってる人多いですよね。

 

みんな目がキラキラしてますもんね(笑)。自分も変わってるって言われるけど、教室ではみんなが変わってるからラクでいいのかもしれないな。

 

―――でも変わってる部分がないと表現ってできないかも。まずは一般的な意識を捨てて写真表現に入っていくから・・・。普段は最初に坂本さんが言ってたみたいに、社会では上手くやるために一般的な自分を作ってる人がほとんどだと思うけど、きっとそうじゃない自分がいるんだと思うんですよね。ホントの自分を写真で表現するというか。出しちゃう(笑)

 

写真で毒出す、みたいな(笑)。

 

―――そうそう(笑)。・・・この先写真で「こうしたい」ってあります?

 

ずっと続けていきたいし、発表とか写真集を出すとか・・・ゆくゆくはそういう方向に向かっていきたいですね。職業としては考えてなくて。写真を通じていろんな人と知り合いたいとか。細田さんの話じゃないけど(笑)

 

―――メゾン・ド・ヒミコですね!

 

そうそう(笑)。写真をやり続けることによって、自分の将来がイメージしやすくなった。何かになりたいっていうことよりも、きっとこんなふうになってるんじゃないかな?って。けっこう楽しそうだなって。

 

―――それって、すごい良いコトじゃないですか!将来に希望がある!

 

うん、すごく楽しみ。

 

聞き手:木下マリ子

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