ボイス 受講生の声
VOICE vol.37
井上 隆司 Ryuji Inoue 1999年中村教室入学 / ゼミナール在籍

―――ごきげんよう。待ってました~。

 

ごきげんよう~。

 

―――井上くん!このプリントはないですよ~!

 

スキャンが上手くいかなくて・・・すみません。。

 

―――そうなんだ~。すっごいタイヘンだったんですよ、補正・・・。

 

いや~時間なくてさぁ・・・。

 

―――これ、デジタルプリントでしょ?デジカメですよね?

 

そうそう、今日持ってきたのはデジ一眼。最初はスキャナ買ったからフィルムのコンパクト使ってたんだけど、プリントが全然上手くいかなくてあきらめたんだよね。そんで、またデジ一眼に戻って・・・。

 

―――なんでフィルムのコンパクトカメラ?

 

デジタルのコンパクトをずっと探してたんだけど、なかなかいいのがなくって。RAW撮影ができる、コンパクトカメラ。あるにはあるけど、書き込みがめちゃくちゃ遅いって話しだし。

 

―――あ~私持ってるけど、ちょっと耐えられないぐらい時間かかりますよ。RAWで撮れるっていっても、JPEG専用かな。

 

あ、そうなんだ~やっぱり。だから、結局一眼レフにしたんだけど、銀塩もいいかなぁ~とか思って浮気してみたり。でもフィルム代がすごいかかって、たくさん撮るからムリかなと(笑)

 

―――フィルムは現像代もかかるしね(笑)

 

そうそう。デジタルはそれがないからね。

 

―――仕事もやっぱりデジタル?

 

そうだね、今の事務所に入ったときはまだ4×5だったけど、今はデジタル。デジタルになって仕事での写真の撮り方は変わったな。

 

―――どんなふうに?

 

まぁお手軽っていうか・・・フットワークが軽くなった。何でも撮れちゃうみたいな。今の太陽の光がいい!って時にすぐ撮れるでしょ。自分の仕事はスタジオじゃないから、外での撮影のライティングって太陽光だけ。それが、いいと思った瞬間に撮れるのは、やっぱり出来がいい。

 

―――4×5は三脚立てて・・・って撮るまでの準備に時間かかりますもんね。

 

それに、機材が重いでしょ。今は軽くなってすごいラク。あとはメーターを使わなくなったね~。昔はずっと使ってたからメーター見なくても、ここなら絞りがいくつで、シャッタースピードがいくつで・・・ってすぐわかったけど、今はもうムリかもしれない。

 

―――そういえば、メーターを触る機会がないなぁ・・・。

 

そうやっていいとこもあるんだけど、必要以上に便利な機能が付いちゃってて、おもしろくないけどね。

 

―――確かに、そうかもなぁ。でもどうしてカラーで作品撮りしてるんですか?

 

モノクロのプリント上手くならなかったんだよね。で、ムリかなって(笑)

 

―――あきらめちゃった(笑)

 

そうそう(笑)だから気分転換にカラーやってみるかな~って、ポジで撮り始めたら「おもしろいじゃん!」って思って。それからずっとカラー。あとは結構好きな写真作家に影響を受けるんだよね。当時好きだった写真家がカラーで撮ってて・・・。こういうふうに撮りたいなって。気が多いからさ(笑)

 

―――(笑)。例えばどんな作家さんが好きなんですか?

 

ホンマタカシさんとか、ニューカラー時代の作家。スティーブン・ショアーとかエグルストンとか。

 

―――あ、カラーだね~。

 

でも4×5でモノクロフィルム使って、撮影したいとかも思うんだけど。

 

―――皿現!(バットの中に直接フィルムを入れて現像する方法です)

 

そう、それ!皿現が大変だから、やっぱやるならカラーか(笑)

 

―――(笑)。お仕事じたいは順調?

 

忙しいけどね~、不況だから仕事請けても安くたたかれるよね。

 

―――あぁやっぱり・・・でも井上くん、一時期教室に在籍してなかったでしょ、何年か。それですっかりカメラマンになって、作品撮りはしていないと思ってました。だから去年からまた教室に来るようになってビックリしたんですよ。

 

あ、そう?

 

―――だって仕事での写真と、作品撮り。全然違うものだから、両立は大変かなと。

 

両立ね~・・・それって結構難しい。やっぱりひっぱられちゃうところもあるからね。ゼミも月に1回っていっても、大変だし・・・。

 

―――でも写真始めてから長いですよね。どうして続けられたんですか?

 

ん~・・・きれいサッパリやめようと思った時期もあったんだよね。どん底まで落ちて、行き詰まって・・・。

 

―――それは仕事で?

 

まぁ仕事といえば仕事かな。スタジオに勤めたんですけど、やっぱり写真の世界は大変だな、やってけないなって思って・・・。その時お世話になった先生にも、「お前何やってんだ」って怒られて。自分でも情けなくて・・・。

 

―――それで教室にも来なくなったんだ。

 

そうだね、それもあるな。とにかくきつくて「陽の光を浴びたい」って思った。あぁ、小宮山先生も同じところに勤めてましたよね。何ヶ月もちました?

 

2ヶ月(笑) (by小宮山先生)

 

あ、おれ3ヶ月!

 

―――勝った(笑)

 

ああいう写真を撮りたいか?って言われると、そうじゃなくって。それを考えたらしんどいのが耐えられなくなっちゃった。(by小宮山先生)

 

そうなんだよね~。

 

―――そんなにきつかったんだ~。

 

まぁ、その頃をあんまり思い出したくないぐらい(笑)他の話題にしようよ。

 

―――そっか、じゃあ・・・というか、それでも写真を続けてるっていうのは、やっぱり写真が好きなんですね。

 

好きかって言うと、難しい。憎くて、憎くてたまらない時があるし・・・。

 

―――それは、なんとなくわかる気がするなぁ・・・。なかなか撮れない時なんか「何で写真を続けてるんだろう?」とか思っちゃったりするときもあったり・・・。

 

そうなんだよね~。うまくいってない時は。

 

―――でも続けてる。これからは・・・?

 

そうだなぁ~・・・仕事と写真を続けるってことかな。あとはやっぱり個展をやりたいな。

 

―――お、どこで?

 

ここ。

 

―――教室のギャラリーですか!ぜひっ!!

 

前に先生にやったらって言われたんだけど、この前の授業で「まだまだだなぁ~」って言われて。どっちなんだろ(笑)

 

―――そのときの写真にもよるし、組みにもよるし。今度先生に話して、一度組んでみたら?

 

そうだね、とりあえず、まとめてみようかな~。

 

聞き手:木下マリ子

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