ボイス 受講生の声
VOICE vol.35
増馬 朋宏 Tomohiro Masuma 2001年中村教室入学 / ゼミナール在籍

―――今日はよろしくお願いします。わ~すごいたくさん作品持って来ましたね~。

 

どっちゃり持ってきました(笑)

 

―――これはセレクトが大変!先生に頼もう・・・。増馬さんは仕事やめて1年ぐらいでしたっけ?

 

うん。もう少しで1年だね。

 

―――いつ仕事再開するんですか?

 

秋ぐらいかなぁ・・・。とにかく仕事辞めてから、1年は好きなこと・・・写真をやるって決めてたから。

 

―――好きなことやるって言っても、何のしばりもなくて続けるのって大変ですよね。どういうふうに、生活スタイルっていうか、写真生活してるんですか?

 

週3日は撮影に行こうって決めて、2日は暗室作業。やっぱりそうやって決めないとできないよね。

 

―――普通に仕事してるのと同じサイクルだ。

 

そう。それがお金にならないだけ(笑)

 

―――逆に減ってく(笑)

 

でもおかげですごい歩くようになったよ。ふらっとある町へ行って、1丁目から8丁目まで歩くとか。これが結構きつくて。町並みが似てるから、飽きちゃってつらいんだ~。あとは新宿から家(台東区)まで4時間ぐらいで歩いちゃったり。

 

―――新宿から?!スゴイ・・・!

 

新宿から台東とかは景色がどんどん変わるから、そんなに大変じゃないよ。それにそのせいか、最近腹筋が割れてきた(笑)

 

―――1年かけて足腰鍛えたから(笑)

 

そうそう。でも歩かないと出会えないからね。

 

―――でも・・・やっぱり仕事を1年もしないと不安じゃないですか?

 

そうでもないよ。貯金とか自分の生活レベルとか考えて、2年はいけるって思ってたし。

 

―――うーん、お金のことより、仕事に対するブランク・・・とか。

 

あぁ、それは全然不安に思わないけど、ブランクがあるからと言って前のようにできないってことはないと思う。現場に入ればやっぱりカンも戻ってくるし。すぐに辞める前以上の仕事はできないけど、同じレベルでできると思う。それに、今は仕事してた時以上に、写真を撮っているから。写真をまったく撮っていなくて、現場に戻るって言うのはちょっと難しいと思うけど。

 

―――前のお仕事ってカメラマンのアシスタントでしたよね。物撮りメイン?

 

コマーシャルだから、商品撮影がほとんど。だいたいがカメラマンの自宅で撮影で・・・。

 

―――スタジオじゃなくて、個人のカメラマンのアシスタントについてたんですね。

 

コマーシャル界では有名な人で、化粧品の撮影が多かったですね。今はデジタルになって作りこめるようになったけど、昔はフィルムで一発で決めなきゃならなかったから、すごい高い撮影技術が必要だったんだよね。

 

―――確かに、デジタルは修整がラクだけど、フィルムは・・・。でもよくそんな有名な方のアシスタントにつけましたね。

 

中村教室のOBの紹介なんですよ。最初は未経験で30歳超えてただから、採用されなかった。でも2週間ぐらいしてから電話がかかってきて「やる気あるなら来て」って言ってもらえて。その頃ちょうど人手不足で、誰でもいいから手伝って!って感じだったみたい(笑)タイミングがよかったんだよね。

 

―――それはラッキー!! 撮影は4×5で?(大型カメラです)

 

最初はね。アシスタントを辞める頃にはもうデジタルになってたけど。

 

―――ああ、やっぱり。撮らせてもらえた?

 

うん。デザイナーさんが創ったラフを渡されて「撮ってみな」って言われて、撮らせてもらったりしてた。でもあがりを見て、半日かけてライティングしたセットを全部崩されて・・・ちゃっちゃっとライティングして、すごいきれいに撮っちゃうんだよね、師匠は。「そこかよ!」ってところに、ライトをサクッと持っていって、バッチリ決めちゃう。さすが、スゴイって思ってた。

 

―――そういう現場で3年もアシスタントしていたら、そうとう技術が身につきますよね。

 

今でも機材があれば撮れると思う。駅とか電車とかのポスターなんかを見ると、「あぁこうやって撮ってるんだろうな」ってライティングがぱっと頭に浮かぶしね。

 

―――すごいなぁ~それだったら、多少のブランクも不安にならないわけだ。

 

そうだね~、どっちかっていうとお金のが不安(笑)

 

―――(笑)。でもやっぱり制限のないところで、写真を撮り続けてるってすごいな、やっぱり。

 

好きなことだから・・・でも、つらいけど。

 

―――どういうところが?

 

自分が「こういう人間だ」って・・・。

 

―――と、言うと?

 

なんかベタっていうか汚いっていうか、えげつないっていうか。そういう自分。例えば・・・いやな例だけど、目の前に怪我をしてる人がいるとするでしょ。そういう時って「助けなきゃ!」っていうのが普通だと思うんだけど、たぶん自分は「うわー」って言いながらシャッターをきっていると思う。そういう自分がみえるのがつらい。コマーシャルみたいに作りこんだ写真を撮っているわけじゃないから、正直に、そのままの自分が写ってくると思う。

 

―――・・・。

 

だけどそれを、そういう自分を知っておかなきゃって思う。ちゃんと自分をわかっておけば、さっきの例みたいな現場に遭遇した時にちゃんと自分をセーブして「助ける」って行動がとれると思う。きちんと自分を知っていないと、ひどいことになるんじゃないかなぁと。

 

―――確かに写真は客観的に「自分」を見ることができますね。

 

写真を始めたのも「自分は何を見て、何を感じているのか」を知りたかったから。それで上京してきたんだよ。

 

―――え?教室に来るために?九州から?! ・・・お疲れさまです!

 

いや~いいカメラも買っちゃったし(笑)専門学校は2年とか3年だから長すぎると思って。

 

―――(笑)。カメラといえば、6×6使ってますね。カメラは何を?

 

ハッセル。3年前に仕事でハッセルを扱えないとフィルムを入れさせてもらえなかったから、自分で買っちゃっいました!

 

―――すごいっ! ハッセル高いのに・・・。

 

今はすっごい高いけど、ちょうど底値で買えたんだよ。でも6×6ならホントはローライが欲しかったんだよね。まぁ仕事でハッセルだったからしょうがなかったけど。

 

―――そうなんだ~。

 

でも今はハッセル買ってよかったなって思ってる。レンズ変えれるし。なんかさ、ハッセル持って街の中撮影してると「オレ、写真撮れます」みたいなイメージない?(笑)

 

―――「ハッセル持ってる!スゴイ!カメラマンかなぁ~?!」って感じ(笑)

 

でしょ?それが何かはずかしいっていうか、イヤでローライが良かったって最初は思ってたんだよね。

 

―――それ、なんかわかる(笑)それからずっと6×6なんですね。

 

そう。ちょうど写真に行き詰っていた頃で、気分も変わるかな?って思って変えたんだけどね。6×6になってプリントしたら、もう35に戻れないっていうか。いくら35ミリでがんばっても、6×6ほどにはプリントできないんだよね、やっぱり。最後はプリントだから。

 

―――フィルムサイズが全然大きいもんなぁ、6×6は。

 

ま、なかなかプリントうまくいかないけどね(笑)

 

―――プリントは難しい!

 

うん。でもそうやって「なかなか思い通りにならない」ってところが、銀塩の魅力なのかもね。けど、今はデジタルじゃないと仕事にならないから、秋に本格的に仕事再開するために機材そろえようと思って。

 

―――お、とうとうデジタル一眼購入?何買うの?

 

いや~待ちに待ってたニコンからフルサイズのデジ一眼が出たから、それを買うんだ。今持ってるレンズ全部使えるし。キャノンにしようか迷って、パンフレットもらってきて一日どう違うのかな?って眺めてた(笑)

 

―――でもレンズ使えるから、ニコンですね。デジタル処理の環境もそろえなきゃだから、大変だと思うけどがんばってくださいね!

 

うん。写真で食っていける人は一握りだと思うけど・・・がんばります!

 

聞き手:木下マリ子

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