VOICE vol.34
阿部 静子 Shizuko Abe 1999年中村教室入学 / ゼミナール在籍

―――こんにちは。簡易スタジオ作ったんで、こちらでお願いしますね。

 

撮影はちょっとでお願いします(笑)

 

―――撮影は10分ぐらいですよ(笑)カメラはあんまり気にしないでいきましょう!そういえば、ビックリしたんですけど、阿部さんは1999年に入学されてるんですね。長い~。

 

そうそう。いつの間にか時間がたっちゃって。

 

―――もう9年ですよー。中村教室歴も写真歴も長い。

 

まだまだ(笑)中村教室には学生時代の後輩の紹介で入学したんですけどね。

 

―――そうなんですか?!大学の・・・?

 

同じ大学ではないんですけど。大学で写真のサークルに入っていたんですが、女子大だからあんまり技術とかちゃんとやらなかったのね。小さな暗室しかなくて、文化祭の写真を引き伸ばす時は他の大学に借りにいったりしてたんですよ。4年生になって、学生の写真連盟みたいなのに入って、そこでいろんな大学の人と知り合って・・・。紹介してくれた彼女もそこで知り合ったんですよ。

 

―――じゃあ、卒業してから中村教室に入学するまで、ずっと写真を続けていたんですか?

 

全然。結婚したり、いろいろで写真は全くやってなかったの。写真に戻るとは思ってなかった。油絵をやってたし。

 

―――それなのに、紹介・・・?

 

油絵をやめたんですよ。家族に悲しい出来事があって・・・。絵って物と対峙するので、自分の内面にストレートに向かってしまう。それが精神的にきつくなって、続けられなくなっちゃったんですね。

 

―――それで写真を再開した。

 

そう、ちょうど入学する1年ぐらい前に。でも写真はやっていなくても、いつもカメラがそばにあったんです。PTAとかで記録写真とかも撮っていたし(笑)でも、絵をやめた頃は学生時代と違って、もっと自由に写真が撮れる気がしたのね。だから写真をまた始めたんです。それでカメラを持って、根津に通いました。

 

―――根津?

 

根津が好きなんですよ。路地とかいっぱいあって・・・。でも撮るっていうよりも、光と影で癒される感じがあったの。何ていうか、あったかい感じ。それで魅かれたのかもしれない。

 

―――そうやって撮っていたから、紹介されたんですね。

 

そうだと思う。キレイなとか、いわゆるネイチャーとかじゃない写真を教えてくれるところだよ、って聞いて。じゃあ入ってみようかなって。そしたら、おもしろかったですね~(笑)

 

―――どの授業が一番おもしろかった?

 

ほら、なんか、枯れたお花とか、ヘンな形の物をスタジオに持ち込んで、ライティングする・・・。

 

―――スタジオワークスだ!懐かしい~!!

 

そうだ!スタジオワークス!!あれでライティングをちゃんと勉強できたし、毎週「今回は何を撮ろうかしら?」っていつも考えていて・・・。あの授業を受けて、本格的に写真がおもしろくなっちゃった。

 

―――あの授業はおもしろいですよね。

 

それにね、平日の昼間のクラスだったから、3人しかいなくて・・・。そうそう、その授業で亀岡さんとお友達になったんですよ。

 

―――そうか!そういえば、そんなメンバーでしたね。あと男の子がもう一人いて。阿部さんと亀岡さんは仲良しですもんね。ずっとクラスも一緒だし。

 

月に1回は一緒に撮影に行くんですよ。ほら、住宅街で一眼レフ持ってフラフラしてると、ヘンな人って思われそうでしょ(笑)でもふたりだったら、ね。

 

―――確かに(笑)そうやってお友達ができて、楽しみが増えたりするのも、続く理由でもありますよね。

 

そうね~。亀岡さんと撮影してると、彼女はカラーで撮ってるでしょ?あぁ、ここはカラーのがいいかもなぁとか思ったりするんで、おもしろいですよ。

 

―――あ、そうか。阿部さんはずっとモノクロだ。

 

カラーに興味はあるんですけどね。モノクロしかやってきてないし・・・。ただ上海に行った時はカラーで撮影してきましたよ。やっぱり、上海はモノクロよりカラーがおもしろいかなって思って。

 

―――あのあたりは、派手っていうか、独特の色彩ですもんね。でもやっぱり今でもモノクロ・・・。

 

プリントが好きなんですよね。あの、像が浮き上がってくる感じが。

 

―――わくわくしますよね!私も最初は感動しました・・・!

 

写真撮るのももちろん好きなんだけど、プリントが一番好き。でもうまくいかないのよね。どうもいじりすぎるみたい。あとフィルム現像がへたみたいで、全部硬く仕上がっちゃう。好きでもハードルが見えちゃうと、このへんでいいやって置いてしまう(笑)

 

―――(笑)。プリントは手順は簡単なくせに、キレイに仕上げようと思うとホント大変ですもんね。でも、阿部さんの写真を今回初めて見せていただいたんですが、写真が若くてビックリしたんですよ。

 

そうかな?そうかしら・・・。

 

―――そうですよ!写真って自己表現だし、その人の見つめてるものだから、年齢って出ると思うんですよね。10年前と今じゃ全然ものの見え方も違うし・・・。だから、阿部さんの写真見て、元気なんだなって(笑)

 

元気ないときもあるけど、撮る時は元気になっちゃいますね(笑)確かに、歳をとれば撮るほど、いろんな角度から物事を見れるようになりますね。私は写真を撮るという事の中で、時代を感じたいんです。

 

―――時代を・・・。

 

街に出て時代を感じるんです。今は明らかに昔とは違う。今はちょうど転換期というか、変わり目って気がする。わけが解らなくなっているこの時代を見捉えたいと思うんです。そういう中で、自分を知っていくというか・・・。

 

―――だから、街へ出る。

 

そう。自分の生活空間って限られてるでしょ?その自分の空間にはないものを感じるんです。これはカメラを持たないとわからなかったことだけど、そうすることで「今」っていう「現実」と「自分の居場所」を再確認できるというか、改めて知るって感じかな。

 

―――写真とか何かそういうものがなかったら、本当に私なんかも行動範囲狭いし・・・。

 

カメラを持って外に向かって歩いていると、何かに出会う。ウキウキしてくるんです。そして刺激になる。何かをやれば見えてくるものがあるし、何もやらなければ見えないこともある代わりにぶつかることもない・・・けど、その何か「ひとつ」が自分を立てていくものになるんですよね。

 

―――それは解ります!写真があったから乗り越えられた・・・そういう経験あります。

 

そうでしょ?私も写真でいろいろ越えてきたことがあるんですよ。支えなんです、写真は。

 

―――そうですね。私たちにとっては写真ですけど、他の何でもいいからそういうものがあるっていうのは、自分を助けてくれる力になると思います。

 

そうよね。・・・街を歩いててホントに最近変わってきたって思うのよ。渋谷で撮影しててね、フィルムをピーって抜かれたことがあって。

 

―――ホントに?!怖いなぁ。私も怒鳴られたりはあるけど、フィルム抜かれるっていうのは。気をつけてくださいよ!

 

最初の頃は本当に気をつけなきゃーって思ってね。あれは撮っちゃいけない、撮っちゃいけない・・・って思っても、好奇心が勝っちゃって、パシャッと(笑)

 

―――元気だなぁ、やっぱ(笑)でもホント気をつけないと!

 

ね、だからさすがに最近は渋谷で撮影する時は、ちょっと緊張してますよ。

 

―――(笑)。あ、そういえば、入学前からを含めると、ちょうど写真歴10年じゃないですか。今年で。

 

10年か・・・そろそろ区切りつけたいなって思うんだけど・・・。。

 

―――いいじゃないですか!10周年で個展!とか。やっぱり個展っていう形で人に見てもらうと、また写真も変わるかもしれないし、そしたら次の10年も充実するかも。

 

個展ね~、やりたいけど・・・先生、どうかしら?できるかしら?

 

―――できるよ~!

 

―――ほら、先生もそういってるし!10周年記念で!!

 

大変そうだけど・・・やってみようかな!!

 

―――楽しみにしてます!まずは来週打ち合わせで(笑)

 

電話しますね~(笑)

 

聞き手:木下マリ子

ボイス 受講生の声

Copyright © NAKAMURA PHOTOGRAPHIC ACADEMY