VOICE vol.22
大石 三四子 Miyoko Ooishi 2000年中村教室入学 / ゼミナール在籍

―――暑いですねぇ・・・、すいません、こんな暑い日に来ていただいて。

 

ライトが暑いなぁ・・・、写真なしでいいよ~(笑) (ライティングして撮影しています)

 

―――それはダメです!(笑) それじゃ、チャッチャとやりましょ~!

 

そうしよ!

 

―――大石さんにはやっぱり「水中写真」のこと聞きたかったんです。なんで潜るのか?写真を撮るために潜るのか?・・・とか・・・。たくさんなんですけど、未知の世界だから・・・。

 

もちろん、潜るのが先だよ(笑)海外のビーチに行ったときに、浅瀬にたくさん魚がいたのね。1.5mぐらいのところで。それが新鮮だったの。海にあんなにカラフルな魚がいるなんて知らなかった。だから魚と同じレベルで向き合ってみたいなって思ったのよ。

 

―――同じレベル・・・。

 

普通は魚と人を、例えば水槽とか・・・ガラスが隔てたりして、同じところにはいないでしょ。

 

―――そうですよね、水族館とか。

 

だからそういうんじゃなくて、魚と同じところで向き合いたいなって思ったのが、潜ったきっかけ。

 

―――潜るのって免許っていうか、そういうのいるんですよね?スゴイなぁ、私なんて泳ぐのも・・・。

 

それが、泳げないのにライセンスとっちゃったのよ(笑)

 

―――えぇ!!! 恐ろしい・・・。

 

そのときは怖いと思わなかったんだけど、ライセンスとってからコワイなぁって・・・。だから、後からクロール習って、25mは泳げるようになったのよ。

 

―――後から泳げるようになったんですか・・・。しかもクロール・・・。

 

そう(笑) だから水の中にいるほうが安心なの。水面のがずっとコワイ。

 

―――そうかもしれませんね(笑)でも海の中って暗そうですよね。それも怖そう。

 

そうだね~深いとやっぱり暗いよね、光が届かないから。でも、5~6mぐらいのところは、珊瑚がキレイなのよ。

 

―――そのぐらいの深さまでは色が見えるんだ。それにしても・・・「水中写真」って特殊ですよね?きっかけは・・・。

 

マレーシアのボルネオ島っていうところから船でちょっと行ったところに、ダイビングで有名なところがあって・・・。そこのダイビングショップの店長さんが水中カメラマンだったの。あ、もちろん、日本人(笑)

 

―――言葉がね・・・(笑)

 

言葉がね・・・(笑) その店長さんが自分の作品をスライドで見せてくれたの。その時に、魚ってかわいいんだな、キレイなんだなって思って。店長さんからも「写真はいいよ~」って勧められたのもあって、じゃあ撮ってみようかなと。それで「じゃあカメラ買ってまた来ます!」ってね。

 

―――じゃあ店長さんに写真を教わったんですね。

 

まぁ教えてもらうって言っても、絞り優先で撮ってストロボ使って・・・ぐらい。一眼レフを使っていたと言っても、訳わからなかったね~。

 

―――あ、水中写真のために一眼レフをマスターするぞ!って、中村教室へ来たとか。

 

そういうわけじゃないんだけど。

 

―――あれ?

 

OneDaySchoolがあったでしょ。あれに参加してみたの。っていうのは、モノクロプリントができるから。ほら、私手作りとか好きだから、自分で写真プリントできたら面白いだろうな~って。写真というより、手作業がやりたかった。それだけでいいや、と思ったのに・・・(笑)

(*数年前まで一日体験教室「OneDaySchool」というものを開講していました。)

 

―――あれれ(笑)7年も経っちゃいましたね。でも、じゃあ何となく軽い気持ちで?

 

いや、スゴイ意気込みで!やる!!って決めて。入学してからは夢中で写真に取り組んだ。毎日写真を撮りに行って、暗室に通いましたね。

 

―――専門学校生みたいですね。でも手作業できればよかった、のに・・・?

 

OneDaySchoolの最後の先生のお話で「今日やったことは写真表現です」って聞いて、写真で自己表現ができるんだ、ってことを初めて知ったのね。それで、やろうと思ったの。

 

―――なるほど!表現にも興味があった、と。

 

・・・タイミングがよかったんだよね。

 

―――タイミング?

 

ほら、ちょっと私、つらい出来事があったじゃない?

 

―――あぁ・・・・。そうでしたね・・・。

 

あの時・・・自分の周りにある大事なものを全部捨てたの。本当に全て。そして自分の周りには何もなくなった。苦しくて、家の外にも出れない状態で・・・。その頃に中村教室のOneDaySchoolに行ったのね。自分でもこのままじゃダメだって思ってたから・・・。

 

―――そうだったんですか・・・。

 

全てを失って、出逢った写真表現に、ホントにゼロだったからのめりこめた。これで、生きていけるって思ったの。だから、中村教室とはすごく印象的な出逢いなのね。

 

―――・・・・・・・。

 

自分を表現したいと思ったのね。苦しみを外に出したいと。でもそれも表現なんじゃないかと・・・。

 

―――それから、少しでも心にあいた穴が埋まりましたか?

 

ん~・・・完全に埋まるってことは一生ないと思うけど、気持ちをその苦しみの出来事だけじゃなく、他に向けれたというのは本当に助かった。それは自分だけじゃなくて、家族もだと思う。苦しみや悲しみを完全になくすことはできないけれど、今、ここまで来るのに、写真がなかったらもっともっと時間がかかってただろうなって思う。中村教室に来てなかったら、今どうなっていたんだろう・・・。写真があって本当によかった。

 

―――運命の・・・出逢いですね。

 

そう、運命の出逢い。

 

―――中村先生、運命の出逢いですって~!!!

 

先生と運命の出逢いですよ~(笑)

 

―――・・・・聞いてない(笑)

 

聞いてないね(笑)

 

―――あんまり言っちゃってもね(笑) そうそう、潜って印象的だったところとかあります?

 

ある!宮古島の通池ってところなんだけど。

 

―――池?海じゃなくて?

 

池なんだけど、水深20~40mぐらいのところで海につながってるの。通路というか洞窟というか。潜って池の方から海へ向かう時に見た海の色が素晴らしくて「これが天国かもしれない」って思った。ここが天国ならこのまま死んでもいい!!っていうぐらい。なんていうのかな・・・トルコブルー? 深くて鮮やかなブルー。

 

―――そんなところがあるなら、ちょっと潜ってみたいなって気分になっちゃいます!

 

うん。ヘンな言い方かもしれないけど、「この世のものじゃない」って感じだったな。

 

―――海の中にそういうのがあるなんて・・・。 お話を聞いていると、ダイビングも写真もやめられそうにないですね。一生続けるみたいな感じ・・・。

 

写真は今まで、やめたいって思ったことないのよね。やめたらどうするの?って。今はカメラを持ってないと不安なの。近所の買い物でも持っていく。忘れたらとりに帰る・・・ぐらい。だって、道は変わらなくても、いつ、どこで、何に出会うかわからないでしょ?特に人なんかを撮る時は。

 

―――ホントそうですよね。私は枕元に置いてますよ、コンパクトカメラだし。グチャグチャに丸まってる布団とか、おなかに乗ってるニャンコとか・・・眼が覚めたら撮れる時に撮ったりしてますよ。

 

あ~枕元までは・・・。

 

―――なんか、寝起きのヒドイ顔とか撮っちゃったり、何でもアリなんです!

 

やってみよかなぁ。オモシロイかもね~。

 

―――旦那さんの寝起きの顔とか!

 

ん~いい被写体だって思えればねぇ・・・。

 

―――(笑)

 

(笑)

 

聞き手:木下マリ子

ボイス 受講生の声

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