VOICE vol.16
足立 美子 Yoshiko Adachi 2005年中村教室入学 / ゼミナール初級コース在籍

―――あ、来た来た!仕事帰りにすいません。

 

・・・遅れるかと思って、走ってきたら暑い・・・。

 

―――え、今日はすっごい寒いけど・・・、走るとそうかもですね~。あ、それがうわさのカメラ?!

 

そうそう。ホルガ。

 

―――あれ、トイカメラ使ってるんですね。しかもカバーついてる・・・手作り?

 

そう、自分で作ったんですよ。これがないと、カバーが外れちゃったりするから。見てみて、これなんてヘアゴムですよ(笑)

 

―――ほんとだ!これでストロボを固定してるんですね。で、ファインダーは・・・。

 

ないんですよ。カバーしたら隠れちゃって。だからファインダー見ないで撮ってるんですよ。ファインダーのぞいても一眼レフじゃないから、どうせずれちゃうし。

 

――そうなんだ~。マニアック(笑)

 

うん。マニアック(笑)

 

―――でも、なんでそこまでしてホルガなんですか?。6×6でも他にいろんなカメラありますよね。

 

実は6×6が撮れるカメラをホルガしか知らなかったんです(笑)去年、青山ブックセンターのトイカメラコーナーみたいなとこでこれが売ってて、見たら正方形の写真が撮れるって書いてあって、「このカメラは6×6が撮れるんだ~」と思って買ったんですよね。遊びのつもりで。

 

―――そういうことだったんですね!でも遊びのつもりだったのに、今は作品撮り?

 

そう、メインのつもりはなかったんですけど。はまっちゃって。トイカメラなんて・・・と思って、最初は隠れて使ってたんですよ。でもそのころ35ミリの一眼レフで撮るのに、行き詰っていたんです。なんていうかな・・・ファインダーをのぞくと「これ撮ったら授業でどういわれるかな?」とか、「こう撮ったら、あんなふうに言われるだろうな」とか、余計なこと考えちゃって、頭がいっぱいになっちゃってたんですよ。それで、気分転換にホルガを使ってみた。

 

―――それでホルガに。何か変わったことはありましたか?

 

まず、正方形という形が好きみたいってことがわかった。なんか、安心するっていうか、落ち着くというか・・・。それとさっき言ってたみたいに、35ミリで撮ってた時のヘンな考えがなくなったんです。だからか、写真が変わったって言われました。クラスメイトにも先生にも。写真がおもしろくなりましたね。

 

―――じゃあ、ホルガにしたことは大きな転機だったんですね。

 

そうかも。今も35ミリを使っていたら、こうじゃなかったかも・・・。それに、このカメラ、絞りとシャッタースピードが固定されてるから、自分がしっかりしないと撮影できないんですよ。だから、いろんなことに注意するようになったかな。光の向きとか、明るさとか・・・カメラのしくみを体で覚えた感じですね。

 

―――普通の一眼レフは、そういう設定もしっかりしてるから、ある意味知らなくても撮れちゃいますもんね。

 

そうそう。でもこれは大変ですよ(笑)

 

―――いつもこの手のかかる愛機を持ち歩いて、撮影してるんですね。いろいろ撮影に行ったりするんですか?

 

撮影しに行ったりもするけど、やっぱり毎日持ち歩いて日常を撮ってる。仕事の合い間とか。例えば午前中仕事でイヤなことがあってイライラしたり、疲れた時なんかは、お昼休みはまず撮影して、それからごはんにしてます。

 

―――ん?なんで先に撮影?疲れてるのに?

 

スッキリするんですよ。気分転換。「仕事」と「写真」ってぜんぜん違うものだから、切り替えが出来ちゃうんですよね。「パシャ」って撮って、ストレス「はい、終り」みたいな。こうやって、切り替えができるようになったのは、写真を始めてからなんですよ。

 

―――そっか~。確かにぜんぜん違うことに夢中になるのは気分が変わりますよね。

 

でも、こういう切り替えができるほど、のめり込んで好きになるとは思わなかった。写真を始めて本当によかった。

 

―――うん、よかった!でも、そもそもなんで写真を始めたんですか?前から趣味で撮ってたとか?

 

いや、ぜんぜん。写真って記念写真以外に撮るって感覚、普通はあんまりないでしょ。でもある時、友達とドッグカフェに行ったんですよ。そしたら、その友達の犬とドッグカフェで近くにいた犬がキスしたんですよ!ちょうどその時カメラを持っていて、その瞬間を撮ることができて。また同じ日に、隣の家のアメリカンショートヘアがうちの庭に遊びにきてたんですね。で、そのコ、うちの木で爪とぎをするんですけど、「フーッ!」って『あたしのものよ!』みたいな顔して、爪とぎする瞬間をまた撮れたんです。1日に2回も。それで、写真っておもしろい!って思って。

 

―――確かに、写真を勉強してなければイベントの時とかに撮ったりするぐらいですもんね。

 

そう、旅行や記念の時以外でも撮ってもいいんだってその時思ったんですよ。それで写真を勉強しようと思って。最初は独学でやろうと思ったんだけど、とりあえず何勉強していいのかわからなくてやめて、それで入学したんです。

 

―――「写真の勉強って何するの?」って感じですよね。最初は。

 

うん。だから、とりあえずデジタル一眼買っちゃったんですよ(笑)

 

―――デジタル一眼?!どうしてですか?

 

なんか「うまく撮る」には一眼かなぁって(笑)デジタルにしたのは、撮ったのがすぐ見れるからってだけの理由です。一眼だとうまく撮れそうな気がしたのに、実際撮ってみたらぜんぜんうまくいかなかった。

 

―――(笑)でも、今はデジタルでもなく、カラーでもなく、モノクロ・ネガですよね。

 

カラーもちょっと撮ってたんだけど、何となくしっくりこなくて。全部を語り過ぎるというか・・・。色があると、一度その写真を見てどういう場所かとか情報がいっぱいあって、それで終りになっちゃうような気がする。モノクロだと色がない分、見る人に「考える隙間」があるっていうか。デジタルは・・・なんか、プリントが楽しくなっちゃったっていうか。

 

―――確かに・・・。カラーだと色に惹かれてしまいますからね。それにプリントは楽しいですよね!

 

でも、苦手なんですよね、プリント。入門の時、ほんとにプリント下手で、先生に「留年!」(もちろん冗談ですが)って言われちゃって(笑)それから「プリント苦手」ってトラウマが。

 

―――プリントは枚数をこなせばこなすほど上手くなりますよ!・・・って私は暗室の先生に言われました(笑) あれ・・・足立さん、ゼミナールに在籍中って思ってたけど、ゼミ初級なんですね~。

 

ゼミ初級3回目受講中です。

 

―――そうですよね、長いから、すっかりゼミにいるもんだと思ってた。

 

ゼミはまだ早いと思って。ゼミってカリキュラムがなくて、全て自己管理じゃないですか。ゼミ初級はとりあえず、日録があるし。でも、春からはゼミかな。

 

―――発表は考えてないんですか?

 

ん~・・・いつか。まだまだ、作品が足りないですね。もっとプリントの技術もあげたいし。・・・今現像たまってるんですよね~・・・20本(泣)だから最近月10本ぐらいしか撮れなくって。現像も35ミリと違って時間かかるし。そうやっていっぱい現像しても、いいなと思えるのは数枚だから、まだまだですね、発表は。

 

―――現像たまるとツライですよね・・・。でもそうやってコツコツ頑張っていれば、プリントのクオリティもあがりますよ!

 

うん。大変でもモノクロ!

 

―――がんばれ~!そんなにのめり込む写真、足立さんにとっていったいどんな存在なんでしょう?

 

存在・・・。なくてはならない。私から写真をとったら、何も残らない。

 

―――「何も残らない」・・・そう言った人は初めてです!その魅力は?

 

自分で見たものをそばに置いておける。気に入ったものとかかわいいもの・・・こういうのを、そばに置いておけるところかな。

 

―――それは分かるかも!そうそう、せっかくだから、ホルガも写真撮りましょう!

 

・・・先生、お見合い写真も(笑)

 

それは大変だぞ~! (by中村先生)

 

聞き手:木下マリ子

ボイス 受講生の声

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