ボイス 受講生の声
VOICE vol.14
佐藤 忠 Tadashi Sato 2004年中村教室入学 / ゼミナール在籍

―――あ、どうもー!今日はお願いしますね。

 

はい、じゃとりあえずコーヒー。

 

―――いっつもスイマセン!いただきま~す。・・・先に作品見せてもらっていいですか?

 

瀬戸内海の写真持って来ましたよ。

 

―――瀬戸内海?

 

3,4年前から旅してるんですよ。瀬戸内海には島がいっぱいあるじゃないですか。島から島へカヌーで渡って、キャンプしてるんです。

 

―――カヌーって、あのカヌー?!

 

そうそう。「シーカヤック」ってやつなんだけど。どこでも上陸できるから便利なんですよ。砂浜でも港でも。 そんで、上陸したらそこでキャンプ。火を起こしたり、テント張ったり。自由なんですよね~。

 

――キャンプなんですね。お風呂はどうするの?

 

瀬戸内海。全部フロ(笑)

 

―――なるほど(笑)自転車で旅、とかはよく聞くけど、カヌーは初めてだなぁ。なんでカヌーで?

 

もともと旅が好きで、北海道やら沖縄やらあちこち旅してたんですよ。それで北海道へ行ったときにカヌーに乗せてもらって・・・「これで旅したらおもしろいんじゃないか?」って思って始めたんです。瀬戸内海は波が荒れないし、島がたくさんあるから、ここがいいかなって思って。

 

―――へぇ~・・・すごいなぁ。今までで何島ぐらい行きました?

 

11回瀬戸内海へ行って、50島ぐらいかな。今はちょうど瀬戸内海の真ん中あたり。瀬戸内海全体では720も島があるそうですよ。

 

―――そんなにたくさん島があるんだ! でもシーカヤックでしたっけ?なんだか怖そう・・・。

 

干潮、満潮の間は場所によって潮の流れがすっごく早くなって危ないんですよ。だからその時は海に出ない。干潮、満潮になってしまえば、潮の流れが止まるからその時に出発!周期が6時間おきだから、その時間に沿って旅の計画を立てるんです。あと満月と新月の時は潮のその差が大きいから要注意ですね。

 

―――なんか原始的で、いいなぁ。

 

旅の行動が「月」に左右されるから、絶対的過ぎて文句言えないんだよね(笑)

 

―――相手が月だもんね(笑)でも満潮、干潮の予報外れたら大変なことになりますね・・・。

 

あれは予報じゃないよ(笑)科学的に決まっているものだから、何時何分満潮っていうのは正確。だからそれを調べて、じゃあ今日はこの時間に出発しようってできるんですよ。日の出、日の入りだって科学的なものだから、何年後の何月何日の日の出は?ってちゃんと分かるんですよ。

 

―――!! あれは予報じゃなかったんだ!(みなさん知ってました?)外れたらヤバイだろうな~サバイバルだな~って思ってたんですよ・・・。

 

いやいや、これ正確じゃないと、それに知ってないと本当にヤバイから!カヌーで海を航行する場合、技術より知識と判断力が大事。知らないと簡単に死んじゃう(笑)

 

―――いや~予報じゃなくて良かった(笑)でもカヌーで移動じゃ、カメラも含め荷物ビショビショになりそうですよね。

 

ちゃんとフタがあるから平気だし、それも絶対じゃないから防水バックに詰めて。シーカヤックって結構大きいんですよ。4.5mある。結構荷物詰めるんだけど、カメラは潮風にやられるんだよね。

 

―――潮風は結構やられますよね。そうそう、カメラにこだわってないって言ってましたよね。

 

こういう旅してると、カメラもすぐに壊れちゃうし、荷物も多いから軽いのがいいんですよね。だから普及機をずっと使ってますよ。今はフィルムカメラは中古屋へ行けばかなり安いし、普及機は手に入りやすいから。機械自体にそんなに興味がないから、持ち運びに便利で撮れればいいんですよ。

 

―――男の人は機械(カメラ)にまず興味を持って・・・っていう人が多いと思うので、ちょっとめずらしいかも。

 

そうかも。カメラのあれこれ話になるとついていけないもん(笑)

 

―――私も機械自体はあんまりってタイプです(笑)ところで佐藤さん、教室の暗室によく通ってますよね~!

 

教室の暗室が好きなんですよ。友達ができたり、いろんな話ができて楽しいでしょ。

 

―――それはひとり暗室にはないものですよね。でもやっぱりモノクロが好きなんですね。 今はデジタルやらカラーネガやらいろいろありますけど、他のをやってみようと思ったことはない?

 

モノクロ、好き・・・ですね~。確かに暗室作業は手間がかかるし・・・と思って、チラッとデジタルのことを思ったりすることはあるんですよ。でも自分で現像して焼いて、いいプリントができると、やっぱりモノクロがいい!って思う。カラーだと自分はどうしても色に持って行かれちゃって、形や質感が色の後に来ちゃうんですよね。色を消すことでそれが前面に出てくる。何となく新しいものに抵抗があるし・・・だから、これからもモノクロでいくと思います。

 

―――いいプリントができた時の充実感みたいなのは、デジタルにはないですよね。好きなモノクロ、暗室で一番好きな作業って何ですか?

 

ノーマルで焼いてから、焼き込んだり覆ったり・・・大雑把なのに、細かい微調整が好き(笑)

 

―――(笑)そういえばもうひとつ聞きたいことがあったんですよ。お仕事、植木屋さんですよね?

 

そう。庭師じゃなくて、銀行とか企業の社長室とかそういうところに置いてある観葉植物の管理をする仕事です。植木の手入れとか、健康チェックとか・・・葉を拭いたりとか、そういうことしてます。

 

―――へぇ~めずらしいお仕事ですね。どうしてその仕事に就いたんですか?

 

今の仕事に就く前に、沖縄でじゃがいもの収穫してたんですよ、半年ぐらい。それで自然に関わる仕事もいいな~って。でも東京も好きだし、実家もあるしでインターネットで「東京 農業」で検索したら、今の会社が最初に出てきたから、お、ここでいいじゃんって(笑)

 

―――ノリがいいな~(笑)仕事はおもしろい?

 

・・・人があんまり入れない、大企業の社長室とか役員フロアとか顔パス。その辺が・・・。

 

―――例えば?例えば???

 

・・・・・とか。・・・も。(もちろん公開できません)

 

―――スゴイ・・・!やっぱじゅうたんはフカフカ?!

 

スッゴイ。フカフカ~。

 

―――おお~!寝れるね~。

 

寝れる、寝れる。

 

―――楽しそう!

 

でもね、仕事はメチャクチャ、ハードなんですよ。楽しいけど・・・実は、9月末で退職してきました。

 

―――え?!

 

いやーゆっくり、瀬戸内海を旅したくて。もっと時間をかけて、丁寧に島を回りたいなぁと思って。この:齢のこの体力のある時に、がつんと旅ができる機会ってそうないですからね。

北風が強くなる頃まで、これから瀬戸内海へ行って、写真撮ってきますよ。その後は、こういったアウトドア関係の仕事に携わりたい、というのもあるし、ちゃっかり植木屋に戻るというのもあるんです。

 

―――そうだったんですか~。ちょっとビックリです。でもいいなぁ。

 

まぁ帰ってきたら、暗室にこもりますよ(笑)

 

―――待ってます(笑)佐藤さんにとって写真とは?

 

趣味、では片付けられないですね。写真も旅も。

そうですね、食事に例えると・・・・白いご飯が「日常生活」としたら、・みそ汁・焼き魚が「旅」、その薬味の大根おろし・醤油・ネギ、これが「写真」。かな~。

 

―――なるほど(笑)その薬味って、すっごい重要。メインを思いっきり引き立てるし、なかったら寂しい。

 

でしょ!そんな感じ!

 

聞き手:木下マリ子

Copyright © NAKAMURA PHOTOGRAPHIC ACADEMY