ボイス 受講生の声

個展 「感情日記」

 

2005年3月 新宿ニコンサロン

VOICE vol.1
佐藤 佑一 Yuichi Sato 2001年中村教室入学

---個展開催おめでとうございます!

 

ありがとうございます!

 

----初めて、しかもニコンサロンという場所での個展はどうでしたか?

 

とにかく自分の写真に囲まれて過ごすのが幸せでした。

会場に誰も来ていなくても、ただボーっと見ているだけで最高でした。

ああいう空間で自分の写真を見るってことないじゃないですか。ひとりでにやけちゃいましたね。

撮ったときのことを思い出して・・・プライベートな写真なので。

撮っておいてよかったと思いました。

 

----「感情日記」の被写体はお母さんと彼女ですね。

  彼女を被写体にするというのは心境もわかるのですが、お母さんを被写体にしたのは?

  しかもヌードですよね。

 

・・・母が病気をしたんです。子宮を全摘出した。

その手術の時に「摘出した子宮の写真を撮ってほしい」って母から頼まれたんです。

手術が終わるのを待って、撮りました。その摘出された母の子宮を見たときに思ったんです。

「こんなに大きいのか」「この中に自分が入っていたのか」「母親だけど女なんだ」って。

それまでは母がいるのがあたりまえで、死ぬなんてこと思ったことなかったけど、このことで

いつかは死ぬんだってことを感じたんです。それと「母」であること、「女」であることを。

それで母の残っている「女」の部分を撮っておきたい、そう思って撮り始めました。

 

---そうだったんですか・・・。大変だったんですね。

  でもお母さんに被写体になってほしいと頼んだときのお母さんの反応はどうでしたか?

  嫌がりませんでしたか?

 

それが、「いいわよ!慣れてるから!」って快くOKしてくれたんですよ(笑)

慣れてるってなんだよ・・・って思いましたけど。ビックリしたんでしょうね。

嫌がっているようで全面的に協力してくれてます。

 

---優しくて、おもしろいお母さんですね(笑)ところで佐藤くんは中村教室に来てわずか3年半で

  個展を開くまでになったわけですが、写真を始めたきっかけは?

 

大学時代に友達と旅行しては、オモシロ写真とかいって使い捨てカメラで写真を撮っていました。

帰ってきてみんなの分まで現像して、できあがった写真を見て「どれが一番おもしろい?」なんて。

 遊び感覚で写真を撮ってたんですが、一眼レフを持っている先輩がいてその人の写真を見せてもらう機会があって、そのときの写真のきれいさにビックリしたんです。

「一眼レフってスゲー」って。 それで祖父の一眼レフを家で見つけて、本を買って勉強し始めたんです。

 

---最初は独学で始めたんですね。学校で勉強しようと思ったのはどうしてですか?

 

本を読んでも絞りとかシャッタースピードとか漠然としかわかっていなくて、ほとんどカン。

今考えるとそれって一番難しいのに(笑)。おもちゃみたいに一眼レフで友達とか撮ってたんです。

そうしたらあるときまぐれで一枚だけいい写真が撮れて、モデルになってくれた友達に見せたら、

すごい喜んでくれて。その時に「相手が自分の写真で幸せになってくれたらいいな」って思って。

まぐれじゃなくて、こういう写真が撮れるようになりたい!それでちゃんと勉強しようと思いました。

 

---それで、中村教室に。でも写真学校やスクールは他にもたくさんありますが、入学を決めたのは?

 

正直言ってそんなに考えてなかったんですが・・・。

少しうまく撮れるようになれればよかったので、プロ養成だけじゃないところがいいなぁと。

初心者でも大丈夫学校を探していたのですが、そういうところは「女性限定」みたいな雰囲気で。

交通の便もいいし、ここなら大丈夫そうだと思って、中村教室に決めたんです。

 

---趣味というか、ライトな感覚で入学したわけですが、わずか3年半で個展まで。

 何がここまで自分を引っ張ってきたと思いますか?

 

本当に初心者で写真のこと、カメラのこと何も知らなかったから、初めてプロカメラマンに

教えてもらって全てがスーっと自分の中に入ってきて、吸収できた。

初めてのモノクロプリントも楽しかったし、もう少しやってみよう、やってみよう・・・と。

それで、3年半。

 

---カメラマンになるつもりはなかったと言っていましたが、技術専攻のコースも受講しましたよね。

 

とにかく人物を撮りたくて。

五十嵐先生の「撮影技術」は人物をたくさん撮るって聞いて。それだけで。

でも「限られた時間できちんと撮る技術」そして「人と向きあう、接する技術」を学べました。

人物にこだわっている自分にとって、プロカメラマンにならなくても大切な技術を

吸収できました。

 

---今はゼミナールに在籍中ですが、これからの目標などありますか?

 

自分の好きなように撮っていきたい。

個展を意識しすぎると「人と向き合う」というより「写真のために写真を撮ってる」感覚に

なってしまうので・・・。 母とも彼女とも、素直に向きあっていきたいんです。

だから「感情日記」でまた個展をやろう!とかは思ってません。

撮りためていって、もしまたまとまったら・・・ぐらいに思っています。

でも個展をやってみて新しいテーマが見えてきので、これはいずれ社会に発信したいと思っています。

 

---カメラマンアシスタントと創作活動、ふたつで大変だと思いますが、がんばってください!

 ありがとうございました。

 

仕事と表現の写真とは別物だって割り切ってますから!これからもカメラでコミュニケーションを

とっていきます。 ありがとうございました。

 

 

聞き手:木下マリ子

 

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